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蓮の国(LotusLand)

近衛秀一の読書感想文が中心のブログ。

第84回サイエンスカフェにいがた『国道って何だろう』

 

サイエンスカフェにいがた

 

 月に一回、ジュンク堂書店新潟店の地下で開かれている「サイエンスカフェにいがた」。友人がスタッフとして参加しており、よく案内が来るのだが、仕事の関係でなかなか行けなかった。ところが今日はたまたま休みで、内容もワタシ好みだったので、Twitterに実況を書くぐらいはまってしまった。簡単にレポートを。

 

 今回のゲストは佐藤健太郎氏。サイエンス・ライターであるが「国道」が趣味であり、今回は趣味の話をたっぷり聞かせてくれた。面白かったのはパワーポイントの見せ方。ただ普通に発表していくのではなく、「ファッwww」とかニコ動の画像とか、そういう変なポイントをついてくるところ。私もと学会の例会で発表をするが、個人的にこういうところが参考になる。

 なぜか階段や登山道など、明らかに道路じゃない道が「国道」とされているという事実。理由は本当に大した理由じゃないのだが、それを知ってるとなぜか得した気分になってしまう。

 あと、国道表示の看板(国道マニアの間では『おにぎり』と呼ばれているとか)に明らかな誤字があり、それを写真で撮ったり実際に行ってみたりする、という。もちろん行政側はこれをミスと捉えているため、撤去されてしまうことがあるらしい。著者は偶然倒れていた標識を見つけ、家に持って帰ってしまった、という。こういうマニアックなところが素晴らしい。

 

 やはりマニアや専門職の人の話は面白い。しかし、そういうマニアックなところに参加者を引き込むテクニックがないと、話を聞くのは難しい。いわゆる「オタクしゃべり」になってしまうおそれがあるからだ。

 だいぶ前だが、知人の評論家が「オタクの話は面白いが、それを(一般人にも分かるように)翻訳するのが大変」という話をしていたことがある。それは、そうだろう。オタクは(私も含め)自分の知識を皆が「知っているもの」と思って喋りがちだ。そして相手の反応も気にせずに延々としゃべり続ける、というケースがよくある。人によっては早口で聞き取りにくかったりする。これが「オタクしゃべり」である。

 

 今回の場合、まず「国道はこういうものだ」と共通の認識を参加者に持たせた上で、「変わったものがある」と変化球を投げ、我々が考える「国道」の認識を揺るがせる。

 

 「国道」の面白さもさることながら、「話し方」が勉強になったイベントであった。