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蓮の国(LotusLand)

近衛秀一の読書感想文が中心のブログ。

安保徹氏の犠牲者になりかけた話

読書(教養)

 NATROM氏の「『ニセ医学』に騙されないために 」を読んで、久々に安保徹氏のことを思い出した。 

 

「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

 

 


 私の父は2009年の10月に胃癌を切除、その後再発もなく生活している。 
 胃癌は基本的に抗癌剤を使用せずに、手術によって切除する方法が取られていると思うが、その頃父は不安だったのか安保徹氏のファンになってしまっていて(笑)、「手術しなくても治るらしい」と勘違いしていたらしい。 
 父は元々家族の意見を聞かない人間なので、これは医者から何か言ってもらえればいいのだが、と思っていたのだが、手術の当日、父は医者に安保徹氏の話を直接した。当然、医者は 
「ああ、あれは信用しないでください。ニセ医学ですよ、あんなものはお話になりません」 
と断じた後で、胃癌は手術によって治る病気であること、転移していれば抗癌剤を使用することもあるが、可能性は殆ど無いであろう、ということまで、データを見せつつ説得したので、父は憑き物が落ちたのか、安保徹氏の話をすることはなくなった。 

 ここで更に米原万里氏のことを思い出す。 
 彼女は卵巣癌と宣告され、様々な代替医療を試した後、亡くなった。確か安保徹氏の名前もあったはずである。 
 癌とは不治の病ではないはずだ。治せる病気を、代替医療などというもので更に悪化させるのは悲惨としか言い様がない。本人はもちろん家族も救われないまま、残りの人生を送ることとなる。 

 父はまだ安保徹氏のことを信じているのだろうか。 
 正直父の気持ちも理解できるし、自分がもしそういう立場になったら、と思うと、そこまで強い気持ちでいられるのかどうか。 

 …まあ、今は余計なことを考えずに、その日その日を生きていればいいのだと思う。