蓮の国(LotusLand)

近衛秀一の読書感想文が中心のブログ。

映画・「GODZILLA」(ゴジラ)

監督:ギャレス・エドワーズ

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 細かい設定で気になるところもあるが、それを「細けえことはいいんだよ」と言い切るぐらいの力がこの映画にはあるのではないか、と思う。

 おそらく、誰もが引き合いにするであろう、随分昔に公開されたローランド・エメリッヒ監督版の「ゴジラ」とは雲泥の差ではなかろうか。やはり、某映画の北村一輝のセリフ「やっぱマグロ喰ってる奴はダメだな」の一言に集約されるのであろう。

 既に様々なレビューサイトで言われていると思うが、ギャレス・エドワーズは、従来のハリウッド映画の「倒すべき敵」というモンスターではなく、「敵とか味方とかいうものを超越した存在」「自然の象徴」「荒ぶる神」という視点でゴジラを描いた。これは、1954年に公開された初代の「ゴジラ」とほぼ同じモチーフである。

 しかし、本作品が、初代の「反戦」「核の恐怖」を描き切ったかといえば、恐らく「ノー」であろう。核への恐怖、怒りが垣間見える場面は、軍がゴジラに核攻撃を行う計画を立てているのに対し、芹沢猪四郎博士(渡辺謙)が広島の原爆の時間に止まった時計を見せる、というところのみに見えた。

 ただ、初代ゴジラの「961万人」という驚異的な記録は、ゴジラがその次代を切り取った「時事ネタ」であったことに他ならない。第五福竜丸事件が起きたのは、ゴジラが公開された年の春なのだから。

 こういうテーマの話を持ち出すと、「そういうのはどうでもいい。娯楽作品としてはどうか」という質問は必ずあると思うが、娯楽作品としてはとてもおもしろかった、と思う。怪獣が大都会で暴れ、その付近で怯える人々。その怪獣を何とか倒そうとする主人公。多くのハリウッド映画のお約束を含んだ「ゴジラ」は、非常に爽快で豪快な作品となったと思う。

 過去のゴジラ作品を見たことがある人も、一度も見たことがない人も、おすすめできる映画のように感じた。