読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

蓮の国(LotusLand)

近衛秀一の読書感想文が中心のブログ。

諸怪志異(諸星大二郎、双葉文庫)

読書(漫画)

 

諸怪志異(1)異界録 (双葉文庫名作シリーズ)

諸怪志異(1)異界録 (双葉文庫名作シリーズ)

 

 

 諸星大二郎の連作短篇集。「聊斎志異」のような、いわゆる中国の「志怪小説」をモチーフにしたもの。ただし、原作ではなくオリジナル。一応主人公らしきものは登場するのだが、まったく登場しない話もあるので、連作と言っていいかは疑問。

 

中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)

中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)

 

  漫画の感想に入る前に、中国怪談の話を少し。

 志怪小説をまとめたものとしては、岡本綺堂のこの本がおすすめだ。捜神記や聊斎志異など、名だたる志怪小説をまとめている。味わいが日本の「番町皿屋敷」的な怪談とはかなり異なっている。実話怪談なのだが、はっきり「怖い」といえない感じがする。気味が悪いとか、薄気味悪いとか、不思議な感じとか、そういう変な感覚なのだ。

 日本のものでいうと、「耳袋’当たりが似ているのだろうが、でも、違う。

 この微妙な味わいを、「諸怪志異」ではたくみに表現していて面白い。怪しい術を習った男の恐ろしい運命を描く「狗屠王」、人間が踏み入ってはならない世界に踏み入ってしまった者たちを描く「異界録」「壺中天」などが興味深い。