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蓮の国(LotusLand)

近衛秀一の読書感想文が中心のブログ。

『夢と狂気の王国』

夢と狂気の王国 http://yumetokyoki.com/

 錦糸町の映画館で見てきた。新潟じゃ放映しないから。

 昨年の秋ごろから今年の5月頃までのスタジオジブリの様子を、宮﨑駿と鈴木敏夫を中心に撮ったドキュメンタリー映画。主に、『風立ちぬ』の製作過程が記録されている。

 以下ネタバレ…といっても、ドキュメンタリー映画にネタバレも何も無いのかもしれないけど、一応。面白かったところを断片的にメモ。

 

 ・堀越二郎を演じる声優の選定。宮﨑駿が「もう俳優じゃないほうがいいんじゃないか」と駄々をこね始めると、しばらくして鈴木敏夫が「アンノは…」と呟く。宮﨑駿は「え、アンノ(笑)?」と笑いながら言うが、しばらくして「アンノか…」「いいかもしれないね」「アンノにしようか」と、コロコロ変わっていく。この辺は何度も編集してあるが、突然の心変わりが面白い。  その後、庵野秀明に電話でオーディションを頼む鈴木敏夫。「あのさ、冗談だと思うかもしれないけど…」と言うのがおかしかった。

 ・スタジオジブリのスタッフの服装は自由らしい。背広を着ているのは1人(野中氏)だけ。女性スタッフ(アニメーターかな)の普段着や、机の上に置かれた小物類、ジブリ調の絵(当たり前か)で描かれた何枚ものメモ、何とも愛おしい。監督は女性だから、そういうところを上手く撮ってるのかな。

 ・原画を描きながらクラシックを聴く宮﨑駿。何聴いてるんだろう、気になる。

 ・アニメーターが「この職業は、守るものがある人には向かないかもね」とつぶやく。タイトルの『夢と狂気の王国』、あまりピンとこなかったのだが、「狂気」と思えるのはこの辺だろうか。

 ・「狂気」といえば、宮崎吾朗の扱い。鈴木敏夫や他のスタッフの前で「ボクはこの世界に間違えて入ってきちゃったんです」と激昂する。ああ、よく分かってらっしゃるのね。

 ・スタジオジブリの立地が素晴らしい。白い階段、ざわざわ揺れる新緑の木々、または雪の積もりかた。

 ・音楽が非常にきめ細やかで良かった。高木正勝さんという方。この名前、どこかで聞いたことあるなあと思っていたら、細野晴臣のレーベル『daisyworld disc』でアルバム出してるじゃないか。そのせいか。

 ただ、この映画は映画館では見られるが、家では見られないかもしれないな。気が散ると見れないもの。