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蓮の国(LotusLand)

近衛秀一の読書感想文が中心のブログ。

書評『貝と羊の中国人』

読書(教養)

貝と羊の中国人 (新潮新書)/加藤 徹 ¥756 Amazon.co.jp

 

 いささかビロウな話で申し訳ないが、友人が韓国の「トンデジ」の話をしていて驚いたことがあった。私はてっきり「トン」が豚なのか、と思っていたら、「豚」は「デジ」なのだという。じゃあ、「トン」はどういう意味なのかというと、そのものずばり「糞」なのだ。確かに、人糞で豚を育てるというのはいくつか例がある。日本では沖縄に「豚便所」があったという。

豚便所 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%9A%E4%BE%BF%E6%89%80

 

 この話を別の友人にしたところ、「韓国人はおかしい!」と息巻いていた。

 このように、人と人でさえ分かり合えないのだから、国と国との理解は難しい。

 

 本書『貝と羊の中国人』は、著者が「貝」と「羊」という文字から中国人を読み解いていく。この読み解き方は非常に面白く、あまりにも「へえ」と頷いてしまうので、本当なのかと疑ってしまうほど。著者は中国が多民族国家であることから、文化や習俗などの根っこを掘り返していく。

 

 面白かったのが、中国の病院の前に葬儀屋がある、というところ。日本だったらこんな光景はまずないだろうし、もし建設計画があったとすればすぐさま反対運動が起こるだろう。しかし、中国では「その方が合理的だ」という理由で、こういう光景がよくあるのだという。  この手の話をすると、私の友人のように「中国人はおかしい」「日本人は素晴らしい」と言いたがる。

 違うのだ。私は、「所変われば品変わる」というごくごく当たり前の話をしているつもりなのだが…。