蓮の国(LotusLand)

近衛秀一の読書感想文が中心のブログ。

書評『ワセダ三畳青春記』

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)ワセダ三畳青春記 (集英社文庫) (2003/10/17) 高野 秀行 商品詳細を見る
 『ワセダ三畳青春記』(高野秀行集英社文庫)を読了。 『幻獣ムベンベを追え』などの冒険紀行もの(そんなジャンルがあるかどうかは知らないが)で知られる著者が、住んでいたアパートの生活を記したもの。  早稲田で三畳一間、家賃月1万2千円、というぼろアパートに入居した著者は、一癖も二癖もある住人たちや、大家のおばちゃんに振り回されることになる。しかし著者もまた、妖しい植物で人体実験をしたり、三味線をひいて一儲けをたくらんだり、忙しいながらも自由で楽しい生活を送るのだった…。というのがあらすじ。  読んでいてなんとも楽しく、ときおり切なくなる本だ。高校生の頃に読んでいれば、「こんな生活があるのか!」と感激するだろうが、就職した今の私が読むと「ああ、こういう日々を送りたかった」という気分になる。しかし、神経質な私には無理だろうなあ。  最後のほうで、著者はあるきっかけからぼろアパートを去ることになる。この部分が私は一番好きだ。