蓮の国(LotusLand)

近衛秀一の読書感想文が中心のブログ。

書評『「神道」の虚像と実像』

「神道」の虚像と実像 (講談社現代新書)「神道」の虚像と実像 (講談社現代新書) (2011/06/17) 井上 寛司 商品詳細を見る
 神道は「古代からの民俗信仰」「日本人のふるさと」「日本固有の宗教」とされているが、本当にそうなのか??という疑問に答えてくれる本。神仏習合明治維新を経て、「神道」は3回「つくられた」と著者は説く。  明治時代の「神道国教化」のスローガンが、外国の圧力によって(キリスト教を禁止していたから)うやむやになってしまい、明治政府は「神道は宗教に非ず」というウルトラCをやってのける。いわゆる国家神道の誕生である。 「国家権力が直接介入し、神社のあり方を転換させ、天皇制支配を支えるための「宗教施設」へと強引に導いた」(P178)  ソレを著者は、「日本に固有の宗教施設としての神社を媒介とした、国家による宇宙観・世界観の独占」と言う。この辺は痛快で笑ってしまった。  ただ、疑問もあって、民衆に「神道」がどう捉えられていたのか、というところかな。著者は、神道の黎明期(中世頃だという)から神道政策は国家的な策略だったというんだけど、「全部ウソでした」というのは、「アポロの月面着陸はなかった」と同じ臭いを感じる気もするんだよね。  まあ、私みたいな素人じゃなくて、もっと歴史に詳しい人や、もっと神社関係に詳しい人は、しっかりした問題点を指摘できると思います。